ブログ 2026/09/30

【ベトナムBiz第26回】サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)

【ベトナムBiz第26回】サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)

サステナビリティ・リンク・ローン(Sustainability-Linked Loan:SLL)とは、企業が設定したサステナビリティ(環境・社会・ガバナンス:ESG)に関する目標の達成状況に応じて、融資条件(主に金利)が変動する融資のことで、資金使途を特定しない点が大きな特徴である。

1.SLLの仕組み

一般的な流れは次のとおり:

①KPI(重要業績評価指標)を設定

・CO₂排出量

・再生可能エネルギー利用率

・労働災害発生率

・女性管理職比率 など

②SPT(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)を設定

  •  例:「2030年までにCO₂排出量を40%削減」

③毎年達成状況を評価

・目標を達成すれば金利が引き下げられる場合が多い

・未達成の場合は金利が引き上げられる、または優遇が受けられない場合があります。

2.グリーンローンとの違い

項目サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)グリーンローン
資金使途自由環境改善プロジェクトに限定
金利ESG目標の達成度と連動通常は固定条件
評価対象企業全体のESG活動対象プロジェクト

つまり、グリーンローンは「お金の使い道」を評価し、SLLは「企業のESGへの取り組み成果」を評価するという違いがある。

導入メリット

企業にとっては、

・ESG経営(環境・社会・ガバナンス重視の経営)を推進しやすくなる

・達成時には金利優遇を受けられる可能性がある

・投資家や金融機関からの評価向上につながる

・脱炭素やSDGsへの取り組みを社外に示しやすい

といったメリットがある。

 

ベトナムの日系企業との関係

ベトナムでも、日本のメガバンクや現地銀行がSLLを提供するケースが増えている。例えば、工場や工業団地で次のような目標を設定する企業が多く見られる。

・太陽光発電設備の導入拡大

・CO₂排出量の削減

・エネルギー使用効率の改善

・廃棄物のリサイクル率向上

・労働安全・労働環境の改善

このため、ベトナムに進出する日系製造業にとっても、設備投資や運転資金の調達手段としてSLLの活用が広がっている。

最近のベトナムでの活用事例としては、今年7月に三菱UFJ銀行が、森永乳業のベトナム子会社との間で、温室効果ガス排出削減と融資条件を連動させる融資契約を結んだ。

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