【ベトナムBiz第21回】グローバルタックス対応済み?ベトナム法人税の要注意ポイントと対策_Part 2

2.進出企業が直面するベトナム法人税の落とし穴
ベトナムで事業を展開する日本企業の多くが、法人税に関して想定外の課題に直面しています。特にグローバルタックス対応が進む中、優遇税制の複雑化や税務申告義務の増加、グループ全体での税務管理、さらには税制改正によるコスト増加リスクなど、多面的な落とし穴が存在します。
これらは事前に十分な準備や体制構築をしていないと、余計なコストや事務負担につながり、進出のメリットを損なう恐れも。ここでは代表的な4つの課題を整理し、それぞれの実態を具体的に見ていきます。
- 優遇税制の適用条件が複雑
- 税務申告や報告義務の増加
- グループ全体での税務管理が必要になる
- 税制改正による追加負担のリスク
2.1. 優遇税制の適用条件が複雑
ベトナムでは地域や産業ごとに異なる優遇税制が設けられており、進出当初は「税率が低くて有利」と感じやすいものです。しかし、これらの優遇を受けるためには、事業規模や業種、投資額、雇用数など複雑な条件を満たす必要があります。
加えて、グローバルタックスの導入により、多国籍企業の場合は優遇適用後の実効税率が15%未満となった場合、追加の課税対象となるケースも。条件を正確に把握しないまま進出すると、期待したはずの税メリットを十分に享受できないリスクが高まります。
2.2. 税務申告や報告義務の増加
グローバルタックスの導入により、ベトナム現地法人にも新たな税務申告や報告義務が発生しています。たとえば、グループ全体の収益状況を把握し、要件を満たす場合には追加納付や詳細な情報開示が必要となります。
これまで地域ごとの優遇税制に頼っていた企業でも、今後はタイムリーなデータ管理や、グループ連結での税務申告体制の整備が不可欠です。事務手続きの煩雑さやコンプライアンス対応の負荷が増していることを、現場レベルでも認識しておく必要があるのではないでしょうか。
2.3. グループ全体での税務管理が必要になる
従来、現地法人ごとに税務対応していた場合でも、グローバルタックス時代には親会社や他国拠点も含めたグループ全体での管理が求められます。たとえば、グループ収益が一定規模(7.5億ユーロ超)の場合、ベトナム現地法人単体ではなく、全体収益や納税状況を踏まえた申告・追加納付が必要です。
また、移転価格ポリシーやグループ間取引の透明性も重視されるため、日本本社との連携や全社的な税務戦略の再構築が重要なテーマとなります。
2.4. 税制改正による追加負担のリスク
ベトナムではグローバルタックス導入以降、今後も税制改正や優遇制度の見直しが想定されます。たとえば、現状で標準法人税率が20%のため優遇措置を受けていない企業には大きな影響がないものの、優遇税制を利用している企業では追加納税や制度変更によるコスト増加が発生しやすくなります。
さらに、現地政府が新たな優遇策や支援策を検討する動きもあり、税制だけでなく事業環境全体の変化に注意を払う必要があるでしょう。
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