労働契約関連規定
労働契約関連テーマ(試用、契約別紙、契約の一時的履行停止・一方的解約・終了等)
・国会が2019年11月20日に発行する労働法45/2019/QH14号に基づき。
・政府が2020年12月14日に発行する政令145/2020/NĐ-CP号に基づき。
・労働省が2020年11月12日に発行する通達10/2020/TT-BLĐTBXH号に基づき。
①試用契約書
A. 試用契約の締結
・労働契約に試用の内容を規定すること、又は試用契約書を締結すること。
・1ヶ月未満の期間の労働契約を締結した労働者には試用を適用しない。
・一つの業務に対して1回のみ試用を適用する。
B. 試用契約の内容
・雇用者の名称・住所及び雇用者側代表者の氏名・職名
・労働者の氏名、生年月日、性別、居住地、市民カード/身分証明書又はパスポートの番号
・業務及び職場の場所
・業務又は職名に従った賃金額、賃金の支払方式、賃金支払時期、手当及びその他の補充項目
・勤務時間、休憩時間
・労働者に対する労働保護設備
・試用契約期間
C. 試用期間
・企業の管理者の業務については、180日を超えない。
・短期大学以上の専門・技術水準を必要とする職位の業務については60日を超えない。
・中級の専門・技術水準を必要とする職位の業務・技術工員・事務職員については30日を超えない。
・その他の業務の場合は6日を超えない。
D. 試用の賃金、強制保険制度、年次有給休暇等
・両当事者の合意によるが、その業務の賃金の少なくとも85%でなくてはならない。
・労働契約に試用の内容を規定する場合を除き、試用期間中に強制保険の参加が不要となる。
・試用期間の終了後に労働者が労働契約を締結する場合、試用期間は年次有給休暇の数を算出する為の就労時間と見なされる。
E. 試用期間の終結
・試用期間終結の際、雇用者は試用の結果を労働者に通知しなければならない。
・試用の結果が雇用者の要求に達していた場合、労働契約を締結しなければならない。
・試用期間中において、いずれの当事者も試用契約を事前の通告なく、かつ損害賠償の必要なく解除する権利を有する。
②労働契約書
A. 試用契約の締結
・口頭形式(1ヶ月未満の期間の契約である場合)、電子的方式、書面形式(2通で労働者が1通、雇用者が1通を保持する)を通じて締結することができる。
・両当事者とも、労働契約締結に必要な情報を誠実に提供する義務を有する。
・雇用者の禁止行為は、労働者の書類・文書・証明書等の原本を保持すること、金銭又はその他の財産で労働契約履行の担保をさせること、債務返済の為に労働者に労働契約の履行を強制すること。
・労働者は複数の雇用者と労働契約を締結することができるが、締結した契約内容を十全に履行することを保証しなければならない。
・労働契約は、両当事者が異なった合意をする、又は法令が異なった規定をする場合を除き、両当事者が締結した日から効力を有する。
B. 労働契約の種類
・労働契約の種類は2つあり、無期限労働契約及び有期限労働契約(最大36ヶ月)である。
・有期限労働契約に関して、満了日から30日以内に新しい労働契約を締結しなければならない。締結できなければ、従前に締結した契約が無期限労働契約になる。
・新しい労働契約が有期限労働契約である場合、もう一回のみ締結できる。その後,労働者が依然として引き続き働く場合は、無期限労働契約を締結しなければならない。
C. 労働契約の内容
・雇用者の名称・住所(IRC・ERC等の通り)及び雇用者側代表者の氏名・職名
・労働者の情報:氏名、生年月日、性別、居住地、電話番号、メール(ある場合)、市民カード/身分証明書又はパスポートの番号、WP・WP免除認定書の番号(外国人労働者の場合)。
・業務及び職場の場所(労働者が複数の場所で定期的に働く場合は、全ての場所を記載する)
・労働契約期間:月数又は日数の期間、開始日及び終了日を記載する。
・業務又は職名に従った賃金額(サラリーテーブルの通り)、賃金の支払方式、賃金支払時期、手当及びその他の補充項目(両当事者の合意の通り)
・労働契約の個別項目に記載される他の福利厚生(ある場合):ボーナス、アイディアに与えられる賞与、食事手当、電話代、ガソリン手当、家賃手当、子育て手当、子の扶養の手当、結婚お祝い金、誕生日お祝い金、労災事故手当、その他。
・昇級、昇給制度:条件・期間・昇給額に関する両当事者の合意又は集団労働協約・会社規定等による。
・勤務時間、休憩時間:両当事者の合意又は集団労働協約・就業規則・会社規定等による。
・労働者に対する労働保護設備:両当事者の合意又は集団労働協約・就業規則・会社規定・労働安全衛生関連規制等による。
・社会保険、医療保険及び失業保険:社会保険法の規定による。
・職業能力、水準の訓練、増強、向上:職業能力の訓練・増強・向上に対する手間・経費を確保する為に、両当事者の権利、義務及び利益を記載する。
D. 営業秘密・技術機密の保護
雇用者は労働契約上記載又は他の書面を通じて、営業秘密・技術機密の保護に関する下記内容を労働者と合意する権利を有する。
・営業秘密・技術機密のリスト
・営業秘密・技術機密の使用範囲
・営業秘密・技術機密の保護期限
・営業秘密・技術機密の保護方法
・営業秘密・技術機密の保護期間中の両当事者の権利・義務及び責任
・営業秘密・技術機密の保護違反の処理
営業秘密・技術機密の保護違反による損害賠償の処理手順は下記の通り。
・労働契約の期間中に労働者の違反を検出した場合、政令145/2020/NĐ-CP号の第71条・第72条で規定される損害賠償の処理手順による。
・労働契約の終了後に労働者の違反を検出した場合、民事法民法及びその他の関連法で規定される損害賠償の処理手順による。
③雇用契約別紙
A. 試用契約書の締結
・労働契約履行の過程において、いずれかの当事者が労働契約の修正、補充を要求する場合は、修正、補充が必要な内容に関して少なくとも3営業日前に他方当事者に知らせなければならない。
・両当事者が合意した場合、労働契約の修正、補充は労働契約 別紙又は新たな労働契約の締結によって行う。
B. 労働契約 別紙
・労働契約 別紙は、労働契約の一部であり、労働契約と同様の効力を有する。
・労働契約 別紙は、労働契約の条項の詳細を規定、修正、補充するが、労働契約の期間を修正することはできない。
・修正、補充する条項の内容及び効力発生時点を明確に規定しなければならない。
・労働契約 別紙が労働契約の条項の詳細を規定することで労働契約と異なった理解の仕方になった場合、労働契約の内容に従って履行する。
④一時的履行停止
A. 労働契約と異なる業務への労働者の異動
一時的異動の期間(不可抗力の場合)は1年間で合計60日を超えない。超えたら、労働者の書面による合意が必要となる。 ※一時的異動に同意せず、休業した労働者に対して休業手当を払う。
事前通知の締切は最低3営業日前である。(雇用者は一時的異動の期限を明示し、労働者の健康・性別に合致する業務配置をする)
新たな業務の賃金は、最低従来の業務の85%である。(従来の業務より低い場合、30営業日の間は従来の業務の賃金を維持される)
B. 労働契約の一時的履行停止
労働契約の一時的履行停止の根拠は以下からなる。
・労働者が軍事義務、自衛民兵の義務を履行する。
・労働者が刑事訴訟に関する法令の規定に従って逮捕、拘留された。
・労働者が再教育学校、強制的リハビリテーション施設、強制的教育施設に行く措置を適用する決定を執行しなければならない。
・権限を有する医療機関が勤務継続が胎児に悪影響を与えると診断された妊娠中の女性労働者。
・労働者が、国家が定款資本の100%を保有する一人社員有限責任会社の企業管理者に任命された。
・労働者が、企業における国家資本について、国家所有代表の権利・責任の実施につき受任した。
・労働者が、他の企業に投資された企業の資本について、企業の権利・責任の実施につき受任した。
・両当事者が合意したその他の場合。
労働契約の一時停止中においては、両者の合意がある場合又は法令が異なる規定を有する場合を除き、締結済みの労働契約による賃金・権利・利益を得ることができない。
労働契約の期間が満期になっていない場合、労働契約の一時的履行停止期間満期日から15日以内に、労働者は職場に復帰しなければならず、雇用者は労働者が締結済みの労働契約に従った業務に戻って働くことを受け入れなければならない。但し、両当事者が異なった合意をする場合、又は法令が異なった規定を有する場合を除く。
C. 短時間労働者
・短時間労働者とは、労働に関する法令・集団労働協約・就業規則等に規定された1日あたり、1週あたり又は1月あたりの通常の労働時間と比較してより短い労働時間の労働者である。
・短時間労働者は、賃金の支払いを受け、通常の労働者と平等の権利・義務であり、機会の平等を受け、取扱の差別を受けず、労働安全衛生を保証される。
⑤労働契約の終了
A. 労働契約の終了
1 労働契約期間が満了となった。
2 労働契約に従った業務の一時的停止。
3 両当事者が契約の終了に合意した。
4 労働者が懲役刑の宣告を受けた場合、死刑の宣告を受けた場合、又は労働契約に記された業務を行うことを禁じられた場合。
5 ベトナムに所在する外国人労働者が規定に従って、国外退去となった。
6 労働者が死亡した、裁判所によって民事行為能力の喪失・失踪・死亡が宣言された。
7 個人である雇用者が死亡した、裁判所によって民事行為能力の喪失・失踪・死亡が宣言された。個人でない雇用者が活動を終了した、又は省級人民委員会に属する経営登録機関に関する専門機関が法的代表者、法的代表者の権利・義務を実施する受任者の不在の通報を発出した。
8 労働者が解雇の規律処分を受けた。
9 労働者が規定に従った労働契約の解約を一方的にした。
10 雇用者が規定に従った労働契約の解約を一方的にした。
11 構造・技術の変更又は経済的理由がある場合、企業が消滅分割・存続分割・新設合併・吸収合併する場合、企業を売却・賃貸し、企業の形式を転換する場合、企業・合作社の財産の所有権・使用権が譲渡される場合は、雇用者が労働者を退職させる。
12 規定に従ったベトナムに所在する外国人労働者に対する労働許可書の効力期間が満了した。
13 労働契約内に記された試用の内容の合意があるが、当事者の要求に達しなかった、又は一方当事者が試用の合意を解除した。
B. 労働契約終了の通知
・上記の4~8項の場合を除き、雇用者は書面で労働契約終了についての通知をする。
・労働契約終了の時点は活動終了の通知の時点、又は法的代表者、法的代表者の権利・義務を実施する受任者の不在の通知発出の日である。
C. 労働契約終了時の責任
・労働契約終了の日から14営業日(最大30日)以内に、両当事者はそれぞれの当事者の権益に関連を有する金額を全て清算する責任を有する。
・賃金、社会保険、医療保険、失業保険、退職手当及び集団労働協約、労働契約に従った労働者のその他の各権益は、企業、合作社の活動終了、解散、破産において優先的に清算される。
・雇用者は、社会保険・医療保険・失業保険の費用を納入する期間の確認手続を終了し、労働者の他書類の原本(雇用者が保持する場合)を返還し、労働者の労働過程に関連する各資料の写し(労働者が要求する場合)を提供する。
⑥一方的解約
A. 一方的解約
労働者は以下の場合に事前通知をすることなく、労働契約の一方的解約の権利を有する。
1 合意に従った業務点勤務地に配置されない又は労働条件を保証されない。
2 賃金が十分に支払われない又は支払い遅延する。
3 雇用者が虐待・殴打・侮辱的言動、健康・人格・名誉に悪影響を与える行為をする、強制労働させる。
4 職場でのセクシャルハラスメント。
5 権限を有する医療機関が勤務継続が胎児に悪影響を与えると診断された妊娠中の女性労働者
6 各当事者が異なった合意をする場合を除き、定年退職年齢になった。
7 雇用者が誠実な情報を提供せず、労働契約履行に影響を与える。
上記場合以外、下記の事前通知の期間を厳守する。
・最低45日(無期限労働契約の場合)、最低30日(12~36ヶ月の期間の有期限労働契約の場合)、3営業日(12ヶ月未満の期間の有期限労働契約の場合)
・特殊な業種・分野・業務の場合:最低120日(無期限労働契約及び12ヶ月以上有期限労働契約の場合)、労働契約の期間の4分の1(12ヶ月未満の有期限労働契約の場合)
特殊な業種・分野・業務は下記の通り。
・航空機の乗務員、航空機整備技術スタッフ・航空修理要員; フライトの派遣および運用スタッフ。
・企業法、企業における生産・経営に対して投資する国家資本の管理・使用の法律に従った企業の管理者。
・海外で運航するベトナム船に従事する乗組員、外国の航海船に乗船するためにベトナム企業に雇われた船員。
・法律で定められているその他の場合。
B. 雇用者の労働契約の一方的解約の権利
雇用者は以下の場合に労働契約の一方的解約の権利を有する。
1 労働者が、労働契約に従って、雇用者規則における業務完成水準評価基準に従って確定される業務を常時完成させない。
2 労働者が、病気・事故で連続して12ヶ月(無期限労働契約の場合)、6ヶ月(12~36ヶ月の有期限労働契約の場合)、労働契約期間の半2分の1を超える期間(12ヶ月未満の有期労働契約の場合)、治療を受けたが労働能力を回復しない。
3 自然災害・火災・危険な疫病、権限を有する国家機関の要求に従った損害又は移住・生産・経営の縮小があり、雇用者が既に克服方法を探求したが、依然として労働場所を減らすことを強いられる
4 労働契約の一時的履行停止期間満期日から15日以内に労働者が職場に来ない。
5 異なる合意がある場合を除き、労働者が定年退職年齢となった。
6 労働者が自らの意思で5日以上連続で正当な理由なく仕事をしない。(無断欠勤)
7 労働者が誠実な情報を提供せず、労働者の採用に影響を与える。
事前通知の期間は下記の通り。
・上記の1、2、3、5、7項の場合:最低45日(無期限労働契約の場合)、最低30日(12~36ヶ月の期間の有期限労働契約の場合)、3営業日(12ヶ月未満の期間の有期限労働契約及び上記2項が規定するの場合)
・上記の4、6項の場合(緑箇所):事前通知が不要となる。
・特殊な業種・分野・業務の場合:最低120日(無期限労働契約及び12ヶ月以上有期限労働契約の場合)、労働契約の期間の4分の1(12ヶ月未満の有期限労働契約の場合)
D. 労働契約の解約が法令に違反する場合の両当事者の義務
労働者の義務は以下の通り。
・退職手当を受けとることができない。
・労働契約に従った賃金の2分の1及び事前通知していない日数における労働契約に従った賃金に相当する金額を使用者に賠償しなければならない。
規定の通りに訓練費用(ある場合)を雇用者に返済しなければならない。
・雇用者の義務は以下の通り。
・労働者が戻って締結済みの労働契約に従って再び働くことを受け入れる、労働者が働くことができなかった日数の賃金・社会保険・医療保険・失業保険を支払い、労働契約に従った賃金の少なくとも2ヶ月分を労働者に追加で支払わなければならない。
・労働者が引き続きの勤務を希望しない場合は、上記の分のほか、雇用者は労働契約を終了するために退職手当(ある場合)を支払わなければならない。
・雇用者が再び労働者を受け入れることを希望せず、労働者がそれに同意する場合は、上記の分と退職手当(ある場合)のほか、労働契約を終了するために両当事者は労働者に支払う追加の賠償額を合意するが、それは労働契約に従った賃金の少なくとも2ヶ月分である。
退職手当・失業手当
・国会が2019年11月20日に発行する労働法45/2019/QH14号に基づき。
・政府が2020年12月14日に発行する政令145/2020/NĐ-CP号に基づき。
①退職手当
A. 雇用者からの退職手当の享受条件
12ヶ月以上常時働いていた。
労働法第34条1~4項、6~7項、9~10項の規定に従って労働契約が終了する。
社会保険の規定に従って年金を得るための条件を満たせない。
労働者が自らの意思で5日以上連続で正当な理由なく仕事をしない場合でない。(無断欠勤)
B. 退職手当の享受額
退職手当 = 退職手当 x 算出給与の1/2
退職手当算出期間 = 実際就労期間 -( 失業保険加入済期間 + 退職手当支払済期間 )
退職手当は年割(満12ヶ月)で計算される。従って、退職手当算出期間は6ヶ月以内が半年、6ヶ月超えたら1年とする。
退職手当算出給与は、労働者が退職する直前の労働契約に従った連続6ヶ月の平均給与である。
②失業手当
A. 雇用者からの失業手当の享受条件
・12ヶ月以上常時働いていた。
・労働法第42条及び第43条従って労働契約が終了する。
B. 失業手当の享受額
失業手当 = 算出期間 x 算出給与
失業手当算出期間 = 実際就労期間 -( 失業保険加入済期間 + 失業手当支払済期間 )
・失業手当は年割(満12ヶ月)で計算されるが、最低2ヶ月分の給与である。従って、退職手当算出期間は6ヶ月以内が半年、6ヶ月超えたら1年とする
・失業手当算出給与は、労働者が失業する直前の労働契約に従った連続6ヶ月の平均給与である。
③関連期間確定方法
A. 労働者の実際就労期間
・直接就労期間。
・試用期間。
・教育に送られる期間。
・妊娠出産制度を享受する産休期間。
・労働安全衛生の規定に基づき、労働災害・職業病による治療・リハビリ有給休暇期間。
・市民の義務を履行する為の有給休暇期間。
・労働者の過失でないことによる休業期間。
・週休期間。
・規定に基づく有給休暇期間。
・規定の通りに労働者代表組織の任務を遂行する為の期間。
・労働法第128条に基づく業務一時停止期間。
B. 労働者の失業保険加入済期間
・強制社会保険に加入しない試用期間。(労働契約に試用内容が記載されない場合)
・月に無給休暇の14日以上により、強制社会保険に加入しない期間。
・月に病気制度を享受する休暇の14日以上により、強制社会保険に加入しない期間。(健康保険の権利はまだ享受できる)
・月に妊娠出産制度を享受する休暇の14日以上により、強制社会保険に加入しない期間。(社会保険及び健康保険の権利はまだ享受できる)
・3ヶ月未満の労働契約に基づく就労期間。(健康保険及び失業保管を参加せず、社会保険のみ参加する)
・年金制度、労働力損失手当等を享受する期間。
勤務時間・休憩時間
・国会が2019年11月20日に発行する労働法45/2019/QH14号に基づき。
・政府が2020年12月14日に発行する政令145/2020/NĐ-CP号に基づき。
①勤務時間
A. 通常の勤務時間
1日に8時間、1週間に48時間を超えない。
1日当たり又は1週間当たりの勤務時間を規定する権利を有するが、労働者への通知が必要となる。1週間当たりで規定した場合、通常の勤務時間は1日に10時間、1週間に48時間を超えない。
B. 深夜勤務時間
22時から翌日の朝6時までである
C. 時間外勤務
① 時間外勤務とは、法令・集団労働協約又は就業規則の規定に従った通常の勤務時間以外の時間に勤務することである。
② 特別な場合の時間外勤務を除き、他の場合は業務・場所・時間に関する労働者の同意が必要となる。
③ 時間外勤務時間の制限(1日に4時間、1月に40時間、1年に200時間を超えない)
・時間外勤務時間の制限(1日に4時間、1月に40時間、1年に200時間を超えない)
・平日の時間外勤務:時間外勤務時間は1日における通常の勤務時間の50%を超えない。
・祝日・旧正月・週休の時間外勤務:時間外勤務時間は1日に12時間を超えない。
・1週間当たりで規定した場合、通常の勤務時間と時間外勤務時間の合計1日に12時間を超えない
④ フルタイムでない場合、通常の勤務時間と時間外勤務時間の合計1日に12時間を超えない。
⑤ 「有給の就労時間とした時間」は、月間/年間の時間外勤務時間の計算時に控除され、時間外勤務時間の制限規定の遵守を判定する。
・年に200~300時間の時間外勤務ができる場合は以下の通り。(時間外勤務日より遅くとも15日以内に、フォーム02/PLIV 号で労働局に通知しなければならない)
・繊維、縫製、皮革、靴、電気、電子、農産物加工、林業、塩業、水産の製品の生産、輸出加工
・電気の発電、供給、電気通信、石油精製、給排水
・高度の専門・技術水準が求められる業務で、労働市場が適時に十分な労働者を供給できないものを解決する場合
・原料・製品の適切な時期により、又は事前に予想できない客観的要素により緊急で、遅延させることができない業務を解決する場合、又は天候不順、自然災害、火災、妨害、電力不足、原料不足、生産ェーンの技術的事故により発生する業務を解決する場合
・公共サービスの提供,、健康診断及び治療サービス、 教育サービス、職業教育
・通常の勤務時間が1週に44時間を超えない企業での直接生産・営業業務
D. 特別な場合の時間外勤務(時間制限がなく、労働者の拒否ができない)
法令の規定に従った国防、国家安寧の任務を行うための動員令を実施する。
自然災害、火災、危険な疫病、大惨事の予防、克服において、人の生命、機関・組織・個人の財産を保護するための業務を実施する。但し、労働安全衛生に関する法令に従った、労働者の生命・健康に影響する危険がある場合を除く。
E. シフト及び交代制の設定
シフトとは、勤務時間と勤務中の休憩時間を含む、業務の開始時から終了時までの期間である。
交代制の設定とは、1日(連続24時間)に最低2人又は2つのグループを交代で同じ勤務位置で働かせるとのこと。
連続の交代制で勤務する場合、勤務中の休憩を取る為の条件は、①労働者が6時間以上連続の交代制で勤務すること、及び② 2つの隣接シフト間の移行時間は45分を超えないこと。
F. 有給の就労時間とした時間は以下の通り。
・労働者が6時間以上連続の交代制で勤務する場合(最低30分連続)及び深夜勤務/深夜勤務が最低3時間ある場合(最低45分連続)に対する勤務中の休憩時間。
・仕事の性質に応じる短時間の休憩時間。
・労働基準に基づく、勤務中の人間の生理学的ニーズに必要な休憩時間。
・労働者の過失でないことによる休業時間。
・雇用者の要求・合意による会合、教育、訓練時間。
・規定の通りに職業学習者・職業実習者が直接見習い又は労働参加をする時間。
・事業所における労働者代表組織の指導委員会構成員が規定通りの業務に使う時間。
・雇用者の要求による健康診断の時間、労働災害、職業病の検査時間、労働災害・職業病による労働力の障害程度を判断するための健康診断の時間。
・兵役に関する法律に従って全額給与を受け取る兵役向け健康診断の登録・受診・検査の為の時間。
・労働規律処分を受けずに、業務を一時停止される期間(労働法第128条)業務の一時停止期間は15日を超えない(特別な場合も90日を超えない)
・女性労働者の休暇時間:日に60分(1歳未満の子供を授乳している場合)及び日に30分、最低3日(生理中の場合)。
雇用者の同意のうえ、休暇を取る場合、女性労働者はその休暇時間分の給与が貰える。
・法令に違反する雇用者の労働契約の解約による休業時間(労働法第41条)
・労働災害・職業病による治療・リハビリ休暇期間(2015年労働安全衛生法第38条)
②休憩時間
A. 勤務中の休憩(有給休暇)
・勤務中の休憩は、最低30分連続(1日に6時間以上勤務する労働者)、最低45分連続(深夜勤務の場合、又は1日に6時間以上の内に深夜勤務が最低3時間ある場合)
・労働者が6時間以上連続の交代制で勤務する場合(最低30分連続)及び深夜勤務の場合(最低45分連続)、勤務中の休憩時間は勤務時間として計算される。
・連続の交代制で勤務する場合以外、勤務中の休憩時間を勤務時間として計算することを奨励する。
・雇用者は勤務中の休憩時間を決定するが、シフトの開始時又は終了時にこの休憩時間を割り当ててはいけない。
・上記の場合以外に、雇用者は短時間の休憩を労働者に与え、それを就業規則に規定する。
B. 交代制勤務の休憩
次の勤務に入る前に少なくとも12時間の休憩
C. 週休
・労働者は、毎週少なくとも24時間連続で休憩をとることができる。労働周期により週休が取れない特殊な場合は、雇用者は労働者が月間で平均4日の休みを保証する責任を負う。
・雇用者は、週休日を日曜日又はその他の確定した曜日に調整、決定する権利を有するが、就業規則に規定しなければならない。
・法定祝日・旧正月中の週休日については、労働者は引き続いた勤務日において週休日をとることができる。
D. 祝日・旧正月(有給休暇)
①労働者は、以下の祝日・旧正月に有給で休むことができる。
・陽暦の正月:1日(陽暦の1月1日
・旧正月:5
・戦勝記念日:1日(陽暦4月30日)
・国際メーデー:1日(陽暦5月1日)
・建国記念日:2日(陽暦9月2日とその前又は後の1日)
・フン王記念日:1日(陰暦3月10日)
②ベトナムで勤務する外国人労働者は上記の休日以外に、その民族の伝統的な正月に1日、その国の建国記念日に1日休むことができる。
③毎年、実際の条件に基づいて、政府首相は旧正月及び建国記念日を具体的に決定する。
E. 年次有給休暇(有給休暇)
・満12ヶ月勤務した労働者への年次有給休暇は、12日(通常の条件で勤務する者)、14日(未成年の労働者、障害者の労働者、困難・有害・危険な職種・業務を行う労働者)、又は16日(特別に困難・有害・危険な職種・業務を行う労働者)。
・勤務期間が12ヶ月に満たない労働者の年次有給休暇は、勤務した月数に相当する割合の日数である。
・勤続年数に従った年次有給休暇の増加:満5年の勤務ごとに、年次有給休暇日数は1日追加される。
・退職・失職により、年次有給休暇を取得していない、又は年次有給休暇日数を全て消化していない場合、未取得の有給休暇につき賃金で清算される。
・雇用者は、労働者の意見を聞いた後に、年次有給休暇の日程表を規定し、労働者がそれを知ることができるように事前通知する責任を有する。労働者は、年次有給休暇を多数回に分け、又は最大で3年分をまとめて1回で取得することを雇用者と合意することができる。
・賃金支払い時期が未到来の時に年次有給休暇を取得する場合、労働者は賃金の前払いを受けることができる。(最低未消化日数の給与分に相当する)
・年次有給休暇の取得の際、労働者が陸路・鉄道・水路で移動し、その往復の日数が2日を超える場合、3日目からは年次有給休暇に追加される移動時間として計算するが、これは年間1 回の休みのみに適用される。
F. 有給の私的な休暇・無給休暇
① 労働者は有給の私的な休暇を以下の場合に取得できる。(雇用者への通知が必要)
・結婚:3日の休日
・実子、養子の結婚:1日の休日
・実父母・養父母、義理の実父母・養父母、配偶者、実子、養子の死亡:3日の休日
② 無給休暇を1日取得できる場合(雇用者への通知が必要)は、父方の祖父母・母方の祖父母・兄弟姉妹の死亡、父又は母の結婚、兄弟姉妹の結婚である。
③ 上記の規定以外に、労働者は無給休暇について雇用者と合意することができる。