ブログ 2024/06/10

ベトナムの工業団地事情(第2回)

ベトナムの工業団地事情(第2回)

第2回 法人設立のためのライセンス申請

ベトナムで外国人投資家が会社を設立する場合には、投資登録証明書(IRC: Investment Registration Certificate)を取得し、その後に企業登録証明書(ERC: Enterprise Registration Certificate)を取得するという2段階での証明書の取得が必要になる。この2種類の証明書取得後に、税コードの登録及び社印の登録・公告手続きが必要になる。これらの証明書の申請を始めとする法人設立のための一連の手続きは、工業団地の管理会社が代行してくれる所もあるが、そうでない場合は代行してくれるコンサル会社、会計事務所、弁護士事務所等に依頼しなければならない。

1.投資登録証明書(IRC):通常製造業の場合は入居する工業団地の管理委員会か計画投資局に申請書類・必要書類を提出してIRCを取得することになる。管理委員会が設置されていない地方の工業団地については、地方人民委員会が発給機関となる。IRCを申請する場合には、下記の書類の提出が必要になる。

1)投資計画申請書

2)現在事項全部証明書=登記簿の公証写し(投資家が組織の場合)

パスポートの公証写し(投資家が個人の場合)

3)投資案件の提案書(投資家名、投資の目的、投資規模、投資資本などの内容を含む)

*具体的には下記の内容を含んでいなければならない:

A. 向う3年間の生産能力

B. 向う3年間の収支見込

C. Investment Capital(投下資本):今後投下する見込みの全ての資本金の合計金額

D. Charter Capital(授権資本):IRCが発給された日から90日以内に、実際にベトナムの 銀行口座に振り込まなければならない資本金

  • 授権資本は現金以外にも、設備、道具、テクノロジーで出資することが法律で認められているが、これらの財産の価値を証明するガイドラインがないため、現金以外の出資の場合は、審査に時間が掛かりプロジェクトの遅延を招く可能性がある。

<注>上記の投下資本と授権資本の差額が、銀行から長期ローンで借り入れる際の枠になるので、注意が必要。

  • 例えば:投下資本が5千万円で授権資本が1千万円の場合は、銀行から借り入れができるのは、その差額の4千万円となる。
  • 通常は投下資本に対する授権資本の割合は20%程度が適当と考えられる

E. 製造工程を示す写真入りのチャー

F. 製造過程で使用する薬品のリストとそのSafety Data Sheet

4)投資家の直近2期分の決算報告書の公証写し

5)銀行残高証明書の公証写し

  • 授権資本を現金で出資する場合は、銀行残高が授権資本以上の金額でなければならない。

6)工業団地との契約書(土地購入契約書、またはリース契約書)

★上記の書類を日本の公証役場で公証後、日本のベトナム大使館(またはベトナム領事館)で認証してもらい、それをベトナムの公証役場で公証してもらう必要がある。上記の書類に不備がない場合は、通常書類提出後15営業日でIRCが取得できる。

2.企業登録証明書(ERC): IRCを取得後にERCの申請をする必要がある。IRCに記載された企業登録番号が税コードになる。ERCの申請には下記の書類が必要になる。

1)企業登録申請書

2)会社の定款の公証写し

3)株主名簿の公証写し

4)IRC

5)投資会社の法的代表者のパスポートの公証写し

6)現地法人の法的代表者のパスポートの公証写し

★上記の書類もIRCと同様に日本で公証・認証後にベトナムの公証役場で公証してもらう必要がある。上記の書類に不備がない場合は、通常書類提出後3営業日でERCが取得できる。

3.社印の作成:ERC取得後に、社印を作成する。印鑑の内容、形式、数などは、各企業ごとに決定する。

上記の1.~3.の手続きを経て、無事ベトナムの現地法人設立手続きが完了する。但し、製造業でもその業種・生産品によっては、ライセンスが下りない場合もあるので、まずば入居を予定している工業団地の管理会社に、ライセンス申請が可能かどうかを確認する必要がある。特に最近ベトナム政府は廃棄物に関しての規制を厳しくしているため、メッキ加工や染色過程を含む製造業に関しては、ライセンスの許可が下りない場合があるので要注意だ。

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